バックテストツール「Tick Data Suite」について記事にします。
Tick Data Suite(TDS)とは
MT4のバックテストで使用するバックテストツールの名称です。
MT4のストラテジーテスターでもバックテストを行うことができますが、より正確なバックテストを行う際にTDSを使用します。
MT4のストラテジーテスターでは1分足以下の価格の値動き(ティック)については、その時の値動きを予想して疑似ティックを生成しバックテストを実行するため、実際のリアルな値動きとは違う場合が多々あります。
そのため、通常のMT4のバックテストでのモデリング品質は90%が限度となります。
TDSの場合、ティックレベルのヒストリカルデータを使用するため実際の値動きを再現することができ、モデリング品質も99.9%と高品質でバックテストを実行できます。
そのため、TDSを使用したバックテスト上のEAが実際の相場と乖離する可能性は限りなく低くなります。
TDS 利点(メリット)
①ヒストリカルデータの品質(モデリング品質99.9%)
②可変スプレッド・スリッページを含めたバックテストが可能
③複数のMT4を使用したバックテストを行う際の労力の軽減
④最新のティックデータを簡単にダウンロードすることができる
①ヒストリカルデータの品質(モデリング品質99.9%)
TDSのヒストリカルデータ(ティックデータ)の品質は99.9%と非常に高く、Ducascopy・Alpariなど17種類のデータをダウンロードすることが可能で、異なるティックデータごとにバックテストを行うことができます。
②可変スプレッド・スリッページを含めたバックテストが可能
通常のMT4では固定スプレッドでしかバックテストを行えませんが、実際の相場ではスプレッドは変化しています。TDSでは固定スプレッドの他に、可変スプレッドでのバックテストが可能になっています。また、スリッページを含めたバックテストが可能になっています。
③複数のMT4を使用したバックテストを行う際の労力の軽減
複数のEAを同時にバックテストするために、MT4を複数インストールしていました。しかし、MT4個々でヒストリカルデータの削除・インポート作業を行うのが大変で、最新のヒストリカルデータに更新する度に行わなければなりませんが、TDSを使用することでその作業をする必要がなくなりました。
④最新のティックデータを簡単にダウンロードすることができる
TDSは最新のティックデータをダウンロードすることができるため、バックテストを最近の相場まで行うことができます。
TDS 欠点(デメリット)
①値段が高い(有料)
②ティックデータの初回ダウンロードに時間がかかる
③設定を理解するのに時間がかかる
④変動スプレッド使用時、朝のスプレッド拡大に対応していない(2021年10月17日追記)
①値段が高い
TDSを使用するために購入をしなければなりませんが、この値段が高いです。
年間ライセンス:初期費用 23,900円、継続費用 12,900円
月間ライセンス:初期費用 12,090円、継続費用 1,349円
永年版ライセンス:初期費用 60,900円、継続費用なし
(2021年10月17日 15時での換算)
②ティックデータの初回ダウンロードに時間がかかる
ティックデータの初回ダウンロードに時間がかかり、自分の場合は1通貨ペアで約3~4時間ほどかかりました。
初回ダウンロード以降はそんなに時間はかからなかったです。
③設定を理解するのに時間がかかる
変動スプレッドやスリッページの設定など様々な設定ができ、現実の相場に合わせることができますが、それまでの設定の理解に時間がかかりました。
変動スプレッドを設定する際のスプレッドの合わせ方や、ECN口座での手数料の設定で自分は苦戦しました。
④変動スプレッド使用時、朝のスプレッド拡大に対応していない(2021年10月17日追記)
上記でTDSの変動スプレッドについて解説していますが、朝のスプレッド拡大時は20pips~30pipsほどスプレッドが拡大します。
しかし、変動スプレッドのスプレッドを確認した際に、スプレッドが拡大していないことが分かりました。
そのため、MT4時間0時~1時台に取引を頻回に行うEAでは成績が良すぎる結果で出る可能性があります。
まとめ
Tick Data Suite(TDS)を使うことで発生する利点・欠点について記載しました。
一番の欠点は値段ですね。
自分も買うか買わないか悩んだ結果、悩み始めてから3日後に購入に踏み切りました。
しかし、その後の使い勝手が非常に良かったため、現在では購入してよかったと思っています。
次はTDSを使用したバックテストのやり方について記事にしたいと思います。
では(・ω・)ノシ